- しち
- I
しち(接頭)形容詞・形容動詞に付いて, 程度を強め, わずらわしくていやだという気持ちを添える。II
「~くどい」「~面倒なことを言う」
しち【七】数の名。 六より一つ多い数。 な。 なな。 ななつ。〔大字として「漆」の字を用いる〕IIIしち【四智】〔仏〕(1)唯識派に始まる概念で, 仏の完成された悟りに備わる四つの智。 万物の真理の姿を示す大円鏡智, 自他が根本的に区別のない同一の存在であることを知る平等性智, 教化の対象をよく知り, 的確な説法を行う妙観察智(ミヨウカンザツチ), 対象に適した変化(ヘンゲ)を示す成所作智(ジヨウシヨサチ)の総称。 四智は, それぞれ八識の阿頼耶(アラヤ)識, 末那識, 意識, 他の五識が真理に転換して生ずるとされる。(2)四諦を悟る苦・集・滅・道の四智。 羅漢の四智。IVしち【四知】〔後漢書(楊震伝)〕二人の間だけの秘密でも, 天が知り, 地が知り, 自分が知り, 相手が知っているから, いずれは他の知るところとなるということ。Vしち【死地】(1)生き延びられる見込みのない危険な場所。「~に赴く」「~を脱する」
(2)死ぬべき場所。 死に場所。「~を求める」
~に陥(オトシイ)れて後(ノチ)生(イ)く〔孫子(九地)〕軍を絶体絶命の窮地に陥れ, 決死の覚悟をもたせてから戦ってはじめて, 活路を見いだすことができるということ。VIしち【私地】個人の土地。 私有地。VIIしち【至治】世の中がいたってよく治まること。VIIIしち【至知・至智】この上なく優れていること。 また, そうした人やさま。IX「至愚(シグ)なる者も甚だ少なく, ~なる者も甚だ稀なり/文明論之概略(諭吉)」
しち【詞致】言葉のおもむき。 文章のおもむき。Xしち【質】(1)金を借りる代わりに, 保証として相手に預ける品物。「~に入れる」
(2)約束を実行する保証として相手に預けておくもの。(3)〔法〕 質権。 または, 質権の目的物たる質物のこと。(4)人質(ヒトジチ)。「其子を~に出して野心の疑を散ず/太平記 9」
~に入・れる質として預ける。 質入れする。 質に置く。~に置・く質としてあずける。~に取・る質物として預かる。「時計を~・られて迯(ニゲ)るにも迯られず/当世書生気質(逍遥)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.